今日、ある現場であった出来事。
寸法を測り帰ろうとした時、マンションの階上の方から子供の泣き叫ぶ声が聞えてきた。
母親は激怒しているようで、時折子供の嗚咽する声が悲鳴に変わっていた。
僕は見えもしないのに、ベランダから階上を覗いた。
当然見えるわけがない
早口で子供にまくし立てる母親の怒鳴り声。
僕は胸を締め付けられる思いがした。
息苦しくてその子供を助けてあげたい気分ばかりだった。
泣き方からして、子供はまだ話せない位の乳児らしい。
時々咳き込み、嘔吐をしている様にも聞えた。
その度に母親がエスカレートしていた。
僕はとても耐えれなくてエレベーターを使いその部屋のインターホーンを鳴らした。
怪訝そうな声でインターホンから返事がした。
『マンションの関係者のものですけど、大丈夫ですか?』
と、声をかけると、
先ほどの声とは別人で、作ったような明るい返事が返ってきた。
『子供が泣いてしまって、すみません御迷惑掛けます』
と。
僕はその鉄のドアの向こうで母親が子供に対して虐待手前をしていないことを祈った。
何で、そこまで怒ってしまうのだろうか・・・・・。
まだ、何も分からない命に対して、怒る事で解決するのだろうか・・・。
僕はぼんやりしてエレベーターの1Fのボタンを押した。
ヒドク何かに苛つき、ワケも分からなく嘆いた。
一体何だろう・・・・?
その子供が心配で・・・・・・。
可哀想で・・・・。
今日の天気のようにモヤモヤとした感情が残った一日だった。